そのデザイン性の高さから注目される、家づくりの素材「タイル」。
古代から人間とともに歩んできた建築材料ですが、実は今、飛躍的な進化を遂げています。
例えば、放っておいても勝手に汚れが落ちる「セルフクリーニングタイル」、エネルギーを一切使わずに、調湿・防臭してくれるタイル…。
家づくりを考えているなら、知らなきゃ損する高機能タイルについてご紹介します。

外装編~勝手に汚れが落ちる「セルフクリーニングタイル」~

「セルフクリーニングタイル」とは、外壁素材として用いた時に、放っておいても勝手に汚れが落ちるタイルのこと。

外壁の汚れには、排気ガス、砂やほこり、雨などの水が筋になる汚れなどがあります。
これらは、油分や鉱物ほか、たくさんの物質が絡まり合ってできています。
水をはじく油などの物質が関係していることもあり、一度こびりついてしまうと洗い流すのが難しい汚れです。
そのため、どんどん壁にたまっていくことに…。
一般的なモルタルやサイディングの外壁だと、このように汚れが蓄積した結果、一般的には約10年から15年程度で塗り替える必要が出てきます。

この外壁の汚れがたまらないよう、雨水などで自動的にきれいにする機能を持ったタイル「セルフクリーニングタイル」が各メーカーで商品化されています。

例えば親水性の素材を利用したもの。
水となじむタイルなので、空気中の水分がタイル表面に膜を作ります。
その水の膜の上に汚れが付き、浮いた状態になります。
雨が降ると、浮いた状態の汚れを雨水が洗い流してくれるため、いつでもきれいなのです。

また、汚れの電子的な性質を利用したタイルもあります。
タイルが触媒になり、汚れの+電子、-電子に働きかけると、汚れの性質がくっつきにくく変化します。
くっつきにくくなった汚れはタイルの表面に軽く乗っている状態となり、雨水によって洗い流されるという仕組みです。

もともとタイル自体が、他の外壁素材に比べて汚れを寄せ付けにくい性質がありますが、こういったセルフクリーニング機能を持ったタイルを使うことで、よりその特色を強めることができます。
メンテナンスは数十年必要なく、長い目で見ると非常にコストパフォーマンスが高くなります。

内装編~調湿、防臭効果がすごい! 高機能タイル~

タイルは、陶磁器の一種。
この「焼きもの」である性質を活かし、空気中の水分や臭いを吸収する効果を最大に発揮した新製品も登場しています。

焼きものにはもともと目には見えない微細な穴が開いています。
この穴が空気中の水分や臭い成分をキャッチしてくれる大事なポイントです。

この微細な穴のおかげで、水分は多い時=湿度の高い時はタイルに吸収され、少ない時=湿度の低い時には放出されるため、電気など他の動力源を一切使わずに調湿ができます。
じめじめが大好きなダニやカビも減り、家族全員が健康に生活できる空間になります。

また、もう一つ大きな特徴として防臭機能があります。
タイルの微細な穴が臭いの成分をキャッチし、そのまま逃がさないのです。
料理やトイレ、生活臭はもちろんペット特有の臭い対策になるほか、滑りにくい機能(ノンスリップ機能)を持たせたタイルを利用すれば、家の中でのペットの怪我を防ぐこともできます。
タイルは人間だけでなく、ペットにとっても嬉しい素材ですね。

まとめ

ご紹介した機能は、進化を続けるタイルの機能の、ほんの一部です。
タイルには機能性の他に、「美しさ」というデザイン的な楽しさ、メリットもあります。
上手にタイルを利用して、快適でコストパフォーマンスも高い家づくりを目指してはいかがでしょうか。