桜の季節が過ぎて、それでも追っかけ、色とりどりの美しい花々が庭で元気に咲く季節となりました。

近頃私は妻に上手にそそのかされて庭の植物の世話をしています。毎日の水やりはもちろんのこと、休日には、新しい苗を植えることも、もう簡単にできるまでに腕を上げました。

冬の間にはすっかり枯れたふりをして、その存在を消していた植物が春になると何も告げずに、ひっそりと花を咲かせる。その健気さは無言とは言え、生命の力強さを感じます。自然の中で生きていくものは、動物、植物、人間もまた思うよりも強い力を備えている気がするのです。

去年のこと、秋も深まって寒さも増してきた頃、庭でコニファーが茶色になって枯れかけていたことがありました。私は青ざめて毎日毎日水をやり一生懸命世話をしました。すると一度茶色に変色した枝が、見事に緑色に変わり、生気を取り戻したのです。正直驚いてすごいなと思いました。枝が再生していく。私の心の声が聞えたのだろうか?耳には聞こえずとも何かを植物から得たような気がします。水やりの代りに、彼らは私に心の安らぎのようなものを与えてくれている気がします。

生きる力とはたくましく美しいもの、と近頃以前より増して思っています。