「シックハウス症候群」 「VOC」、知らないと危ない!
引越ししたら、目がチカチカする、鼻水が止まらない。
のどの乾燥、吐き気や頭痛、湿疹が出る…それはもしかすると「シックハウス症候群」かもしれません。
家の新築時だけでなく、リフォームやシロアリ防除をきっかけに発症することもある、この一連の症状。
原因は、一体何なのでしょうか。
健康に過ごせる家づくりのために必須の知識を簡単に解説します。
「シックハウス症候群」って、なに?
「シックハウス症候群」とは、建築材料などから発生する有害化学物質のせいで起きる、一連の健康被害をまとめていう言葉です。
具体的には、皮膚や目、のど、気道などの粘膜の刺激症状があげられます。
また、だるくなったりめまいがしたり、頭痛や吐き気が起きるなど「調子が悪くなる」ことも症状です。
また、「VOC」とはこの「シックハウス症候群」を引き起こす一連の有害化物質のことで、「揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds)」のことを指します。
光化学スモッグなどの原因の一つでもあります。
「シックハウス症候群」は、10年ほど前には社会問題になるくらい多くの被害がありました。
そのため、このVOCを規制する法改正などが進んだという経緯があります。
当時に被害が拡大した理由のひとつは、住宅の性能が向上し気密性が高まったことにあります。
それまでは、良く言えば自然に換気ができる家、悪く言えば隙間だらけの家がほとんどでした。
しかし、気密性を高くすれば冬場には暖めた空気、夏場には冷やした空気が外に流れ出ずに済みます。
快適さを求めて家づくりを改良した結果、家の気密性が非常に高まってきたのです。
一方で、当時は換気についてそれほど注意が払われていませんでした。
家の内部にこもった空気が換気されなければ人間の呼吸などで汚れるのはもちろん、困ったことに建材から揮発したVOC濃度が高まってしまいます。
その結果、シックハウス症候群を発症する人が大勢出てしまったのです。
国の「VOC」対策
そのように増えてしまった被害を減らすため、国の「VOC」対策は主に二つの観点から進められました。
ひとつは、揮発する「VOC」自体を減らせばいい、という考え方。
JAS・JIS・国土交通省などの取り決めにより、建材に含まれるVOCの中でも特に問題となるホルムアルデヒドの放散量を F★(エフワンスター) / F★★(エフツースター) / F★★★(エフスリースター) / F★★★★(エフフォースター) の4段階に区分して、等級に応じて使用制限を定めました。
家を建てる時には気づくと思いますが、指定された建材には、この等級が示されています。
VOC対策としては、このFの等級が高い建材を選ぶことが何より大切です。
もうひとつは、室内にこもる有害物質を出してしまえばいい、という考え方。
その結果、24時間換気が義務化されました。
しかし、同じ24時間換気と言っても、快適さは様々。
省エネや健康という観点からは、コントロールした温度を逃がさない工夫や、花粉や浮遊物質などの外部の汚れを持ち込まない工夫がされている換気システムを選ぶことをおすすめします。
まとめ:実は見落としがちな家具
シックハウス症候群は過去のものではありません。
そもそも住宅におけるvocは、建築部材の接着剤や防腐剤など、主に耐久性を高めるために用いられてきたものです。
コスト削減の観点から、現在でもそれらを使用した建材が用いられることがあります(基準以内であれば用いてよい)。
また、シロアリ防除の薬剤などでも同様の症状が現れることがあります。
そして最も知っていただきたいのが家具について。
これまで見てきたように、建築に使われる建材にはホルムアルデヒドについての規制がありますが、実は家具については団体の自主基準があるのみで、法的規制はありません。
しかし、家具にもシックハウス症候群の原因になるVOCは使われているのです。
例えば東京都の調査では、ネット通販で購入できる収納家具を調べたところ何と5分の1で室内濃度基準値を上回るホルムアルデヒドが確認されました。
このうち一つでは基準の4倍を超えるホルムアルデヒドが検出されたほか、それぞれのタンスに赤ちゃんの衣類を入れたところ、有害物質が移ってしまうことも確認されています。
家具選びの際は、有害物質についての説明書きを確認したり、万が一強いにおいなどの異変に気付いた時、返品ができるかどうかなどをしっかりチェックしましょう。
健康な暮らしには、VOCチェックが必要だということがおわかりいただけたでしょうか。
家づくりやリフォームの際は、VOC対策についてしっかりと説明してくれるハウスメーカーを選んでくださいね。
クレバリーホームは、F★★★★の部材だけを使います!